しんうちっ!

あらすじ

青春というのは何となく色々な事が面倒でしてね。あーめんどくせー、なんてすぐ言っちゃう、それもまた青春の1ページであります。青春だ!ファイト!アツイぜ!なんてのはもう古いんでしょうなぁ。
談洲楼学園高校に通う3人の女子高生・三輪 桂(みわ かつら)、柳 千歳(やなぎ ちとせ)、佃 湖月(つくだ こげつ)もご多分に洩れず、あーめんどくせー、ひまー、なんか面白いことないのー、ってな具合でそれはもう日々を退屈に、そして無駄に過ごしておりまして。
彼女たちにとっては無駄じゃないんでしょうが、大人から見れば何やってんだかなぁこいつらは、ってなもんです。
この3人、落語女子研究会なんていう、それは大仰な名前の文化部に所属する、高校2年生であります。通称、落ちる女と書いて"落女"。らくじょ、なんて呼ばれておりまして。呼ばれてるったって、そう呼んでんのは3人だけですけどね。
しかしこの落語女子研究会、大風呂敷広げた割には名ばかりでして、落語なんざひとつもやらない。お菓子を食べたりね、おしゃべりしたりね、寝てみたりね、特にこれと言ってなーんにもしない。一生懸命って言葉をどっかへ忘れてきちまったんじゃないかってくらい、動かない。
暇つぶし程度で顧問をやってる教師・司馬一夫もさすがにこれには呆れちゃいまして。とにかく3人に何言ったって「司馬っちー、わかったわかった、ちゃんとするからさー。明日からけどー」なんて軽口で返されたりしてにっちもさっちもいかない。ある日、仏の司馬先生もついに堪忍袋の緒が緩んじまいまして、3人には相談もせずに、文化祭で落語の発表会をすることを勝手に決めてきちまったもんだからもう大変だ。日ごろぼーっとしてるだけ、パワーが有り余ってたんでしょうな、3人は烈火の如く怒りまして。キレるってやつです。
そんなところへ良いんだか悪いんだか、空気読めるんだか読めないんだか、何だかとんでもないタイミングでひとりの女の子が訪ねてきた。名前を古松鈴々(こまつ すず)。落語女子研究会の扉をドンドンドン!と叩いたと思ったらスッと入ってきて「私を入部させて下さい!」なんて言い出す始末。しかも緊張してんだか何だか知らないけど、言ってる端から噛み倒して何を言ってんだかよくわからないときた。面食らったのは落女の3人だ。落語女子研究会に入部したいなんて変わった子だなぁってんでよくよく話を聞くと、どうも雲行きが怪しい。この鈴々って子、どうやら学園髄一の人気部・落語研究会と落語女子研究会を勘違いして訪ねてきたらしい。しかも鈴々は落語研究会のイケメン真打ち・若柳京太郎目当てで入部を目論んでいたってこともバレちまったから大変。落語の練習なんざ一切しない落女たちだって、落語に対する愛情はほんのちょっとは持ってるもんだから、どうにもこうにも鈴々の不純な動機が気に食わない。んでまたこの鈴々って子がニュータイプ。言ってることがどうも面倒くさい。話が噛み合わない。リアクションがおかしい。僅かな時間で色んなイライラが募った桂、若さも手伝ってついつい口走っちまうんですねぇ。「学園祭で私たちの落語発表会、観に来なさいよ!落女の実力見せてやる!」ってね。
さぁ、お手並み拝見と参りましょうか。